天城の山葵田で育った天魚の炭火焼き

伊豆、天城の夏の風物詩と言えば天魚の塩焼きと言ってもいいだろう。鮎と並び清流の女王と呼ばれている。料理人が炭火をつかってじっくりと時間をかけて焼き上げた天魚は絶品。川を泳ぐ姿を模して甘茶の葉に隠れるように盛り付けられている



豊かな天城の湧水に育つ山葵。川沿いに流れる清流には伝統の畳石式の棚田が並ぶ。畳石式は大小の石を何層にも敷き詰めて作られ、湧き出た石清水が濾過されて水の清らかさを保つのだという



森深く緑豊かで清流がながれる山葵田で天魚は育つ。夏は冷たく冬は温かい水温の良い環境の中でゆっくりと成長していくのだそう



お造りは勘八、真鯛、金目鯛焼き霜造り


皮目の香ばしさが何とも言えず美味しい金目鯛の焼き霜造り。独特の旨味と風味を自家製ポン酢ジュレでいただく。勘八は6月からが旬。ほんのり甘味のある真鯛
黒潮の蛇行が収まりつつあり、伊東の海でも本来の魚が獲れるようになるのだと支配人に伺った。地魚と地酒は旅の楽しみの一つ




料理は自家製食前酒から始まり、香り豊かな豌豆と湯葉の摺流し



初夏の肴を盛り合わせた八寸



涼しげな水晶寄せや貝類



朴葉の葉で巻いた鰻と紫蘇の押し寿司。



煮物は鶏がら煮込みの鱶鰭餡掛け
丸茄子を揚げ煮して鱶鰭の餡掛け。濃厚な鶏がらスープで煮込んだコクのある逸品。



炊き込みご飯と夏向きの冷たい呉汁は、フレッシュなトマトと胡瓜の荒微塵がアクセント。



立ち上がるごぼうの香り、静岡牛の旨みがしっかり染み込んだご飯、コクのある贅沢な炊き込みご飯だ。冷たい呉汁がさっぱりとしてまた合う。


今日の宿泊は特別室「森の庵」家族連れ、グループでの利用がおすすめ。広いリビングからの大きな窓の向こうに広がる深い森。雨が降ると一層いきいきとして見える。底知れない森のエネルギーを感じることができる。


風姿棟 – 森の庵(508)