半夏生、伊豆の季節今年の黒文字精油は

今年も花吹雪オリジナルの「黒文字精油」の抽出が始まった。「黒文字」は日本原産の香木で、和精油の王とも言われているほど。古来より薬として、またその抗菌作用を利用して茶席の楊枝として利用されてきた。甘く豊かな香りとスパイシーな木のアロマが相まった上品な香りを醸す。



天城連山の森では良質の黒文字が育つと言われ、明治時代には盛んに生産され、爪楊枝として欧州にも輸出されたそう。



花吹雪では地域の文化を絶やさず継承していくことの大切さにも重きを置いて自社で黒文字精油を抽出している。夏前は勢いも良く枝を剪定するのには良い時期とされる。



抽出したばかりの香りはシャープなイメージがするが、寝かすと、ふわっとフしたローラルな甘い香りが引き立ってくるという。




抗菌作用のほか深いリラックス効果が見込める黒文字は楊枝としてだけでなくホリスティックアロマセラピーの分野でも注目されている。




日当たりのいいところから半日陰を好む黒文字は乾燥を苦手とする。落ち葉が腐葉土となり幾層にも積み重なって十分な水分を含んでいる天城連山はミネラルを豊富に含んだ水質ということもあって黒文字が生育するのに良い条件が整っているのかも知れない。


半夏生とは夏至から11日目のこと。農家にとっては重要な作業の節目としてかぞえられる。田植えは半夏生までに終えるのがめやすだった。



伊東市池。中伊豆から東伊豆にかけては平地が少ない。池の里は失われつつある田園風景を見ることができる。


盆地の良さを活かし、良質の米栽培が行われている。