春雷、桜と黒文字の花

鮮やかな若葉。まるで昨日の春時雨に洗われたよう。


早春を告げた河津桜が終わり、大寒桜、今は小ぶりの白い花が可愛らしい小彼岸桜が満開。今を盛りと咲き誇る桜の園に蜜を啄む鳥たちの囀り。




一雨ごとに増す緑。黒文字は小さな花をつけていた。目立たないけれど森の春を告げる役割。







心地よい風に誘われてスニーカーを履いてみる。海岸まで歩いてみようか。潮騒は穏やかに寄せては返す。陽の恵みに満ちた季節に人の心も少しずつほぐれてゆくよう。




1時間程度のウォーキングは少し汗ばむ。城ヶ崎の24時間掛け流し温泉はこの上ない恵みと思う。さっと湯に浸かる。 湯殿からの景色にも麗かさを見つけられる。朝夕、戸外は冷んやりしているから、掛け流しの湯は熱くもなく、緩くもなく、じんわりと肌から染み込むよう。大きく吸い込んだ自然の香りが身体の細胞一つ一つに英気を吹き込んでいく。



今夜のお部屋は勘助うさぎ。


ここには梯子を上ると屋根裏のような小部屋が。読書もいいが、日記をつけるのもいい。明け方に瞑想もできそうな独りの空間は、滞在する方それぞれの楽しみ方をするのだろう。




春は木の芽、自然の香りを楽しむお料理



地元限定品・紅ほっぺのリキュール


今日も一品一品、添え物に至るまで季節を思わせるお料理のシンフォニー



独活、こごみ、空豆、筍



野生蕗の薹白和え、地元黒鯛昆布〆小袖寿司、天城花山椒の三杯酢、飯蛸旨煮、鮑の味噌炊き、たらの芽の酢味噌がけ




御造は槍烏賊、赤鯛、春蘭
伊豆揚がり金目の桜葉〆



穴子の飛竜頭、豌豆の摺り流し、道明寺麩



八重桜と天城山葵のソルベ



A5和牛「静岡そだち」の和製ロースト、菜の花ペースト、焼き筍




花吹雪名物 桜おこわ



自家製 和三盆糖わらび餅


すっかり良い気分になるころには、拍子木の音とともに夜の帳がおりていく。



夜桜は妖艶。昼間の姿とは別の生き物のよう。はらはらと散る姿もまた美しいとされる桜に人は魅せられるのかも。