城ヶ崎温泉と森のワーケーション

無機質な都会を離れてリゾート地などで休暇を取りながら仕事をするカタチ、ワーケーション。フリーランスの物書きや、ITプログラマー特権のようなイメージがした働き方が、テレワーク推進によって新しい日常として注目されているこのごろ。


通勤の煩わしさや息が詰まりそうな環境、様々なストレスから解放されたくて、週末や休暇にリゾートへ憩いを求めて行った今まで。新しい日常は、時間に追われたり、喧騒に悩まされることのない場所に身を置き仕事もする。窓の外には広がる自然、休息に緑の中を散歩し、澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込む。仕事は捗り、精度も上がるというもの。


ワーケーションなら、花吹雪の日本の色棟、うさぎ棟の勘助うさぎの部屋に滞在したい。


日本の色棟



和室に掘り炬燵のテーブルスペースのある日本の色棟・青



窓の外には森に囲まれた休息スペース


勘助うさぎ


ロフトが素敵な勘助うさぎ



リモートワークのリフレッシュにはプチハイキング。



20分から小一時間の様々なコースがあり、自然観察しながら楽しめる。
(所要時間やコースなど詳しくはスタッフまでお気軽に)



今日はニューヨークランプ美術館から門脇吊り橋までのプチハイキングコース。
花吹雪からは車で7〜8分。駐車場はニューヨーク美術館前(700円)か、灯台前の伊東市門脇駐車場(500円)に。




門脇吊橋のハイキングコースは2つ。
なだらかな林間コースはお散歩気分で、健脚に自信のある方は、海側の散策コースがおすすめ。






雄大な海を臨む岩場は城ヶ崎らしい景色。



小一時間のハイキングで心地よい汗をかいたら、24時間いつでも入れる掛け流しの貸切風呂でさっぱりとしよう。7つの貸し切り風呂は宿泊客はもちろん、ランチ利用での日帰りでも利用出来る。


鳥の声で目を覚ます朝、寝覚めの露天風呂にも最高



心に響くテーマ香「黒文字」のアメニティ
お取り寄せで自宅でも黒文字気分を
電話 0557-54-1550 / FAX 0557-54-1227



拍子木を打ち鳴らすパンパンと言う音が木々の向こうから聞こえて来る。
もうそんな時間。


夕食膳:長七

花吹雪に滞在したい理由のひとつ、四季折々の素材を駆使したおもてなし膳。
今夜も地酒と一緒にいただく。



先付
嶺岡豆腐
江戸時代からの伝承料理



八寸
金目鯛の昆布締め小袖寿司、野生こごみ胡麻和え、鰆の木の芽焼き、さざえの壺焼き、合鴨のオレンジ煮



御造
めいち鯛の薄造り



煮物
伊勢海老の具足煮



中猪口
契約農家直送キウイフルーツと山葵のソルベ



焼物
平政 山葵酢で



御飯
野生葉山椒とじゃこの混ぜ御飯
御椀 地魚の潮汁
香の物



菓子
蓬の笹麩饅頭


もう一風呂浴びて英気を養おう。明日は海岸から日の出でも見ようか。


旅先で出会う存在感のある器たち

自宅で過ごす「おうち時間」が増えると、好きなものに囲まれて暮らしたいと思う。 器ひとつで、日常の食卓も、ぐんと楽しくなるというもの。 三度の食事を楽しむアイテムとして欠かせない器。旅先では時に器との新鮮な出会いがある。


織部焼

桃山時代に岐阜県土岐市で始まり、美濃地方で生産された陶器。 釉薬の色などにより様々だが、緑色の青織部が有名。



織部こま筋たわみ小鉢(中垣連次 作)


岐阜県土岐市に窯を持つ中垣連次さんの作品。手に収まる小鉢は、やわらかなフォルム。御新香を盛ったり、汁物の取鉢にもよさそう。



重ね松取り皿(加藤芳平 作)


従来の美濃焼にはあまり見られない優しい色合いの器。どんな料理を乗せても映える取皿は「毎日使って欲しい」という作家の想いが感じられる一枚。


有田焼

佐賀県有田地方周辺で生産される磁器。江戸時代には積み出し港の名で「伊万里焼」とも言われた。世界的な骨董品「古伊万里」として収集家を魅了する。


軽くて硬質なため耐久性に優れた食器。輸出先のヨーロッパ貴族に「白い金」と言われたほどの美しい白色が特徴。



角皿


伝統的な染付が美しい福泉窯の器。3列に描かれた唐草模様がそれぞれに美しい。側面まで描きこまれている。メイン料理のお皿として、手まり寿司など飾るのも素敵。


ガラスの器と合わせてテーブルコーディネイトも楽しめそう。



牡丹万歴 三つ足多用鉢


大胆な牡丹の絵柄と中国万歴時代に作られた陶磁器の図柄が描かれ、三つ足が可愛らしい。煮物、お刺身など使い勝手が良く、重宝しそうな器。


洋食器に比べて和食器は、形も大きさも様々。盛り付ける料理を想像しながら選ぶのも器選びの楽しみのひとつ。四季の食材を活かした和食の繊細な味を引き立てる器。器との出会いは、手料理への意気込みをぐんと押し上げてくれるのではないかと思う旅先でのひととき。


新緑のお献立


さて、掛け流しの湯で疲れを癒して、離れ宿で一息つく。拍子木の音とともに暮れ行く静かなうさぎの森。



新緑の季節、野菜や山菜そして海の幸も美味しさを増している。楽しみな夕餉。爽やかなハーブの香りのオリジナルカクテルでお料理を待つ。



先付:煮蛤、コゴミ、筍の湯葉掛け。涼しげな春の香りの一品。



八寸:金目鯛の昆布締め粽寿司、鯛子寄せ、静岡県産うなぎの八幡巻き、伊豆沖の目光南蛮漬け、鮑の味噌炊き、空豆の艶煮



御造:黒むつ、赤貝、みる貝、初鰹土佐造り



煮物:天城黒豚の角煮



中猪口:天城「アメーラ」トマトと天城山葵のソルベ



焼物:伊豆沖揚がり「あぶらぼうず」の西京焼き



御飯:天城の山葵田で育った紅姫あまごの炊き込み



料理屋菓子:自家製黒胡麻葛餅


伊豆、天城を一巡りするような献立は一品一品手をかけて料理されたのが分かる。山菜の香りが爽やかなコースはお酒も進む。



明日は朝早く起きて自然散策でもしてみようか。


春雷、桜と黒文字の花

鮮やかな若葉。まるで昨日の春時雨に洗われたよう。


早春を告げた河津桜が終わり、大寒桜、今は小ぶりの白い花が可愛らしい小彼岸桜が満開。今を盛りと咲き誇る桜の園に蜜を啄む鳥たちの囀り。




一雨ごとに増す緑。黒文字は小さな花をつけていた。目立たないけれど森の春を告げる役割。







心地よい風に誘われてスニーカーを履いてみる。海岸まで歩いてみようか。潮騒は穏やかに寄せては返す。陽の恵みに満ちた季節に人の心も少しずつほぐれてゆくよう。




1時間程度のウォーキングは少し汗ばむ。城ヶ崎の24時間掛け流し温泉はこの上ない恵みと思う。さっと湯に浸かる。 湯殿からの景色にも麗かさを見つけられる。朝夕、戸外は冷んやりしているから、掛け流しの湯は熱くもなく、緩くもなく、じんわりと肌から染み込むよう。大きく吸い込んだ自然の香りが身体の細胞一つ一つに英気を吹き込んでいく。



今夜のお部屋は勘助うさぎ。


ここには梯子を上ると屋根裏のような小部屋が。読書もいいが、日記をつけるのもいい。明け方に瞑想もできそうな独りの空間は、滞在する方それぞれの楽しみ方をするのだろう。




春は木の芽、自然の香りを楽しむお料理



地元限定品・紅ほっぺのリキュール


今日も一品一品、添え物に至るまで季節を思わせるお料理のシンフォニー



独活、こごみ、空豆、筍



野生蕗の薹白和え、地元黒鯛昆布〆小袖寿司、天城花山椒の三杯酢、飯蛸旨煮、鮑の味噌炊き、たらの芽の酢味噌がけ




御造は槍烏賊、赤鯛、春蘭
伊豆揚がり金目の桜葉〆



穴子の飛竜頭、豌豆の摺り流し、道明寺麩



八重桜と天城山葵のソルベ



A5和牛「静岡そだち」の和製ロースト、菜の花ペースト、焼き筍




花吹雪名物 桜おこわ



自家製 和三盆糖わらび餅


すっかり良い気分になるころには、拍子木の音とともに夜の帳がおりていく。



夜桜は妖艶。昼間の姿とは別の生き物のよう。はらはらと散る姿もまた美しいとされる桜に人は魅せられるのかも。

土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)春近し

昨年からの巣篭もりの間、断捨離やオンラインでの新しい学び、あるいは、趣味の刺繍やパッチワークなどの大作に取り掛かるなど、時間の余裕を活かして楽しんでいる人も多いように思う。まとまった時間が取れるのもこんなときだからこそ。


企業にとっても、ほったらかしにしていたホームページのメンテナンスや棚上げだった研究課題のチャレンジ、設備の改修などは今までのような目まぐるしい流れの中では後回しになっていたこと。この巣篭もりは、それらに着手できるまたとないチャンスなのかも知れない。



カラカラに乾燥して固く凍てついた土も、しっとりとした春の雨に潤いを含む時。暖かな陽射しを感じて土の下で眠っていた草木も芽吹き始める季節がやってきたよう。長い冬も終わりが来、やがては春がくるというもの。



ひときわゆったりと過ごせるのではと、暫くぶりの常宿へ。 いつ来ても心ほぐれる優しさと、雄大な森の抱擁がここにはある。すっと自然の中に溶け込んでゆく。



いつもと変わらないそれを期待して到着した宿は、満開の早き桜の出迎えに加えて、そこここにさりげない気遣いの変化があった。 目まぐるしい時の流れに押し流されていた世界が、ピタッと止まっていた間に、より深く、より豊かにと内なる自分を高めるように。




今年は、2月4日に関東地方で春一番が吹いたと発表された。昨年に比べて18日早く、過去最も早い記録を更新した春一番なのだそう。よくまあその強い風に散ることもなく、咲いていてくれたもの。と部屋の窓から桜を愛でて一息つく。




夕食まではまだ早い。早速、湯に浸かる。


花吹雪の湯は全部で7つ。それぞれ趣が違う中で、一番人気は何と言っても黒文字の湯だと思う。宿のコンセプトアロマとも言える黒文字は和ハーブとして湯殿、客室、料理にもあしらわれている。



黒文字の湯の内湯がリニューアルして明るくなっていた。国産の明るい色のタイルに張り替えたそうだ。天窓からも外光が差し込むように変わっていて、とても気持ちがいい。今までの黒文字の湯に増してまた魅力的に変身した気がする。




掛け流しの湯は肌に染み込むようで、湯に身体を預けているうちにほっこりとほぐれていく。春一番が吹いた後は、寒さが戻ることが多く「寒の戻り」というけれど、明朝はこの暖かい静岡が氷点下になるそうだ。時間が許す限り何度も湯に浸かることにしよう。



湯船に浸かりながら花見ができる観桜の湯は鄙の湯



織部湯。タイルを張り替えて明るくなりました。



志野乃湯。こちらもタイルを張り替えました、織部とはまた違った趣。


緑深い森に可愛らしい早咲きの桜にすっかり心解き放たれて待ち遠しいのは季節の素材をふんだんにあしらったお料理。今夜はスッキリと白ワインでも合わせてみようか。 手間暇をかけられる時にこそ、素材のもつ個性を引き出す新しいチャレンジを。献立に知恵を絞るのも忘れない。



温物:先付には温かい小料理。赤カブの道明寺蒸し。椎茸の出汁がよく効いている。



八寸:春らしい素材、貝合わせはハマグリと蕗の薹の白和え



御造:伊東産の金目鯛は脂が乗った冬場が一番美味しいとされる。



煮物:駿河湾で揚がった鮟鱇の揚げ煮。淡白な白身にしっかりと餡がからんで美味。



中猪口:さっぱりとした甘みの摺り下ろし林檎酢が次の料理を一層引き立てる。




焼物:奉書に包まれた焼物は、西京味噌で仕立てた地元の甘鯛



御飯:煮穴子の炊き込み御飯と雪の下法蓮草の摺り流し。胡瓜の黒文字漬けと大根の柚香漬



料理屋菓子:自家製和三盆のわらびもち。こっくりと味わい深い黒蜜と。

イースターバニーと森の赤いうさぎ

近年日本でも認知度が上がってきている「イースター」。4月になるとスイーツ店では、たまごの形をしたチョコレートやウサギの形をしたクッキーが売られていて、とても可愛らしくなんとなくウキウキする。カラフルなイースタエッグ作りやエッグハントなどのゲームを取り入れて春のイベントを開催しているところもあるよう。


そもそもイースターって?

「イースター」はキリスト教では最も重要なお祭り「復活祭」のこと。十字架に架けられ命を落としたイエス・キリストが3日目に復活したことを記念するお祭り。春分の日の後、最初の満月の翌日曜日となっていて毎年のように日付が変わる。今年は4月12日。



欧米などキリスト教国では国によって食習慣や風習など異なった文化がみられる。ゆで卵を食べることは知られているけれど、新しい命が生まれるという意味で卵が使われるのだとか。卵の殻に彩色して飾ったり、お互いにプレゼントする習慣もあるそう。いつしか卵の殻の中にチョコレートを詰めるアイディアが登場して、卵型のチョコレート菓子が人気になったということらしい。



卵を届けるイースターバニー

卵ともう一つ、イースターのシンボルとなっているうさぎ、イースターバニーは卵をバスケットに入れて届けてくれる役。洋服を着た野うさぎが卵入りのバスケットを持って良い子のところに届けてくれるなんて・・。まるで絵本の世界のようですね。



ビアトリクス・ポターの児童書、「ピーターラビット」を連想する人も多いのでは。ピーターラビットの故郷はイギリスの北西部にある湖水地方の森。イギリスで一番美しいと言われるほど豊かな自然に恵まれたところなのだとか。


不思議の国の白うさぎ

洋服を着たうさぎが登場する児童小説「不思議の国のアリス」も世界中で愛されているお話。時間を気にしながら急いでいる白うさぎを追いかけて不思議の国に迷い込んで行くアリスのストーリーは、とりとめのない物語で突拍子もないことが次々に起こる。この理解しがたいようなお話は、作者が小さい子どもにせがまれて即興で話して聞かせたのが元で、全てアリスの夢の中の出来事だった。と言うと実に納得ができると思う。夢の中はとりとめもなく、有り得ない展開が目覚めるまで続いていくもの。ワンダーランドなのだから。「不思議の国のアリス」を楽しむには作者、ルイス・キャロルが物語に散りばめた、言葉遊びや童謡、ばかばかしい詩の背景を知るとより楽しい。



森の赤いうさぎが運んでくるもの

城ヶ崎の森にはクロモジの花が咲いている。森に抱かれた別荘宿でイギリス文学を楽しみながら、あれこれ思い巡らせていると、人も自然の一部だという感覚になっていくよう。



森のうさぎは進化してだんだん耳が長くなって赤いうさぎになるそうだけど、赤いうさぎもきっと吉報を運んできてくれるに違いない。畳にゴロンとなりながらワンダーランドへ行くとしようか。赤いうさぎを追いかけて。



春風の花を散らすと見る夢は

桜を愛した平安の歌人、西行法師の名前がついたお部屋は森に面して広く開口した窓が素敵。こじんまりとしたお一人さま用のサンクチュアリといっても過言ではないかも。一員として迎え入れられたよう。



西行は生涯でおよそ2090種の歌を残し、そのうち230種が桜を読んだものだそう。


「願わくば花の下にて春死なむその如月の望月の頃」 西行



有名なこの歌の通りに生涯を閉じた西行。桜の歌人と言われる所以。


森に面した広い窓にはちょっとしたマジックが。



どうやって障子を閉めるのかというと。






こんなふうに隠されているのもこのお部屋の魅力。



お部屋のお向かいには、掛け流しの湯が2つ。



今日は少し早めの到着。夕食にはまだ間がある。


さっと湯を浴び、ひとりうたた寝と決め込む。


春の香りと彩り。この時期だけの桜懐石のお夕飯。

木の芽酢が透けて美しい先付け



小鳥の囀りが聞こえて来そうな八寸。



今日のお酒は一見、いちごミルクのような。いえいえ若い杜氏さんが精魂込めて作ったお酒。ちょっと酸っぱくて、微発泡。淡い恋心のようなそんな感じもします。




御造りは赤いか、大紋ハタ、透き通った山葵水晶を抱いて桜葉に包まった金目鯛の桜葉〆。



穴子の飛竜頭・道明寺麩



菜の花をあしらった百合根のたれが一層春らしい黒毛和牛。



この時期だけの桜おこわ。お椀は浅蜊の真薯



和三盆のわらび餅



「風さそふ花のゆくへは知らねども惜しむ心は身にとまりけり」西行



免疫力アップで身体をまもる、和ハーブ。森のお茶。

ほっとする和ハーブのブレンドがすっと疲れを癒してくれる。
花吹雪にチェックインする時に、倶楽部ハウスで出迎えてくれる「森のお茶」。
10種類のハーブを使ったこのオリジナルブレンドティには、伊豆城ヶ崎の森に生育する植物がたくさん使われている。自然のチカラを借りて免疫力もアップしそう。 何気なく癒してくれる「森のお茶」のパワーを紐解いてみたい。


黒文字


コックリと甘くそれでいてスッキリとしたスパイシーな木の香りのする黒文字は、高級楊枝に使われるように、抗菌、消炎作用があると言われています。うさぎの森にも群生している黒文字の根皮は、急性胃腸カタルや脚気に効能があるとされています。また去痰(喉に絡む痰を取り去る)、咳を抑える作用そして気管支粘膜の充血を取る作用も。浴剤としては、かいせん、潰瘍、湿疹にも良いそう。芽吹きの季節、森の黒文字も元気に芽を出し、大地の力を感じます。


明日葉


「今日摘んでも明日芽吹く」と言われるくらい生命力が強く、生育が早い明日葉は、とても栄養価が高い植物。βカロチン豊富に含み、抗酸化作用が期待できることから、免疫力アップや癌の予防効果があるとされています。利尿、通便、不眠解消、肩凝り、滋養強壮、ダイエットにも効果があると聞くと、積極的にとりいれたくなりますね。 森の日陰に自生し、2月ごろから芽吹きます。


磯菊


近頃、エディブルフラワーが人気です。菊は古来から食用とされ、長寿、若返りなどに良いとされてきました。菊の抗菌、抗ウィルス、抗炎作用は科学的にも証明されていること。疲労回復、頭痛、目眩、目のかすみ、高血圧、食欲増進に効くと言われています。伊豆諸島の海岸にも自生しています。


長寿草


「一株食べると1日長く生きられる」と言われる長寿草(ボタン防風)は栄養価が高くパワーベジタブルという別称があるほど。老化や生活習慣病の原因である活性酸素を抑える抗酸化作用が極めて高いことが分かって来ました。植物繊維も多く、美容にも良いのだそう。 伊豆沿岸に自生し、強い潮風や紫外線にも負けずに元気に生育しています。


松葉


血液を綺麗に保ち、血管を強くする効果があると言う松の葉。疲労回復、食欲不振にも。中国では仙人が長寿の秘薬として食した。と言う言い伝えがあるとか。炎症抑制効果やリラックス作用も期待できるようです。


うこんの根


うこんは生姜科の植物。英名はターメリックです。カレーなどのインド料理には欠かせないスパイスの一つでもありますね。うこんは、二日酔いなど胃や肝臓のケアだけではなく、抗菌作用、抗酸化作用があります。掛けても、付けても、内服しても効果を現します。


甘茶


煎じると砂糖の1000倍と強い甘味があり、ローカロリーな甘味料として用いられます。抗アレルギー、抗酸化作用があり花粉症やアトピーなどにもよいようです。抗菌作用もあり、歯周炎や口臭にもお勧めなのだそう。 江戸時代からは、入浴にも用いられ、保湿、消炎効果があることから美肌のための入浴剤として重用されたとか。



甘茶の花は紫陽花に似ています。3月に入って森でも芽吹き始めました。


肉桂


肉桂は英名シナモンです。体温を上げる作用があるそう。冷え性の方にはお勧め。抗酸化効果、コレステロール改善、血糖コントロール、血行改善。シナモンの素晴らしさは香りだけではないようですね。森にも肉桂に木がたくさんあります。葉を揉むと良い香りがします。


ルイボスティー


「南アフリカの高地で育成されているノンカフェインのお茶。ポリフェノールの一種、フラボノイドを含み、活性酸素を取り除く作用が。細胞を老化から守るアンチエイジング効果も。抗酸化作用があり、アレルギー暖和、リラックス、安眠効果もあるようです。


レモングラス


ハーブティーでもアロマオイルでもポピュラーなレモングラスは、爽やかなレモンの香りがします。香りには人の脳を刺激する作用があり、芳香浴に愛用されます。また、エスニック料理にも使われますね。消化促進や胃もたれの改善、鎮痛、殺菌効果があるとされ 疲れたときや元気がないときに気持ちをリフレッシュさせてくれます。


これだけ自然のパワーを秘めた「森のお茶」心も身体もほっこりと温めてくれます。


鄙の湯の後、若鶯と花見酒

熱海は梅と桜の共演。今年は例年にない暖冬のおかげで梅と桜が同時に咲き、暖かい伊豆を一層にぎやかにしたもよう。駅前の桜はもう若葉が出て、春は駆け足で走り去るつもり。もう少しゆっくりしてくれてもいいのに・・・。
熱海駅から伊豆高原駅まで踊り子号でおよそ40分。常宿の桜も満開を迎えているだろうか。


今年は満開のウェルカム桜。今回の滞在も気持ち良く楽しめそう。



早速、掛け流しの貸切風呂で身体とこころを癒すとしようか。
湯船から桜が望める鄙の湯。



湯船に手足を伸ばすと、じわっと染み込むような優しくやわらかなお湯。思わずため息がひとつ。外気の温度のおかげもあって湯加減がほどよい感じ。湯口からとめどなく注ぎ込む豊かなお湯は、100%源泉掛け流し。天然の温泉にそのまま身体を預けると、ゆっくり、じんわりとほぐれていく。



鄙の湯から笹の垣根越しに見える小さな桜。メジロが蜜を吸うために花を啄ばんでいる。木々の木漏れ日とそよぐ春の風。なんともいい気持ち。



春告鳥が森のどこかで鳴いているけれど、若鶯のよう。だまだへたくそな囀り。 鶯はとても用心深いそうで、声はすれどもその姿は見えない。鳴き声の「ホーホケキョ」は縄張りを見張る雄鳥の声で「ここは俺の縄張りだぞ」という宣言と雌に対して「縄張り内危険なし」の合図でもあるのだとか。



若鶯も歌が上手くなる頃には素敵な伴侶に出会うのだろうか..。花見露天はなんとも優雅な気持ちになれるもの。



春の訪れを感じながら今夜のご馳走を楽しむとしようか。



八寸:燻鮭と株の椿寿司・自家製唐墨大根・海老とすり身の松風・菜花の辛子和えと氷頭なます・梅花人参・静岡県さん雉の岩塩焼き山葵のせ・赤もくの水晶寄せ・丹波黒豆


料理長が勧めてくれた希少酒は「十四代」槽垂れ。希少酒の代名詞とも言える日本酒にお目にかかれるとは。醪の風味を残した濃醇な味わい、華やかな香りが広がってキレがいい。
特別な日にこそ頂きたい、そんなお酒ですね。



地魚との相性も抜群。脂ののった魚に負けないまろやかな甘み。



お造り:伊東産金目鯛の焼霜造りと鰆、活車海老の洗い


蓋物:契約農家直送里芋饅頭銀杏入り 鱶鰭餡掛け


焼物:寒鰤の塩焼き


穴子の炊き込みご飯


翌日は河津まで足を伸ばして河津桜見物としようか。余寒の風がまだ少し残るかも。


河津までは電車で30分。お昼前には十分到着できる。お花見は日本の伝統文化と言ってもいい。花見の始まりは奈良時代とも言われているそう。その頃は梅が人気だったとか。平安時代になってから、桜の人気が上昇して花見と言えば桜になったという説もあるよう。和歌集を開いてみるのも面白い。



「久方のひかりのどけき春の日にしづ心なく花のちるらむ」 紀友則



散る花よりも騒がしいこの頃、こころ静かに花を愛ででいたいと思う、うす桃色の春霞。